1:自殺対策従事者として
北海道の内田貴之は、卒業ギリギリまで大学の実習室に通い、自分がこれからの人生を捧げてライフワークとして自殺対策に携わっていくための組織の土台設計を行い、卒業後2013年5月1日に「自殺予防団体-SPbyMD-」を誕生させました。
2026年度で「創立13周年記念」を迎え、毎年2回の『こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習』開催に尽力しています。講師歴・講師回数は数え切れないほどで、登壇しても一切緊張しなくなりました。慣れるまでは頭真っ白・汗だくだくでした(苦笑)
【公式HP】
自殺予防団体-SPbyMD- 公式サイト≫
北海道情報大学2年生の秋頃、専攻分野とは全くことなる「自殺対策」に関心を強く持ったことから4年生の卒業研究では「自殺対策学習WEBサイト」を制作しました。
当時は現代よりも自殺に対する誤った認識やタブー視が根深く、社会問題として政府が動き始めた頃でした。卒業研究において誤認識を正し、タブー視を払拭できるWEBサイトの制作と検証実験を行いました。
せっかくなのでチャレンジしてみませんか?ここでは、厚生労働省が挙げている自殺対策をする理由のうち、自殺の迷信とも関係のある重要な3点となります。まずこの3点を認識しましょう。
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■自殺対策3つの基本認識
・自殺は追い込まれた末の死である
自殺は、単にひとつの原因から起こるのではなく、健康問題、家庭問題、経済・生活問題など、さまざまな要因が複雑に絡み合う中で発生すると考えられています。多くの自殺は、個人の自由な意思や選択の結果ではなく、さまざまな悩みにより心理的に「追い込まれた末の死」ということができます。
・自殺は防ぐことができる
WHOが「自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題」であると明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるというのが、世界の共通認識となりつつあります。
・自殺を考えている人は悩みを抱えながらもサインを発している
死にたいと考えている人も、心の中では「生きたい」という気持ちとの間で激しく揺れ動き、自殺の危険を示すサインを発しています。自殺を図った人の家族や職場の同僚などは、このサインに気づいていることも多く、このような国民一人ひとりの気づきを自殺予防につなげていくことが必要です。
■サブテキスト
・少なくとも自殺者の98%は精神疾患の罹患あり
罹患の内訳で最も多いのは、うつ病や双極性障害を包括する「気分障害」です。他には「統合失調症」「適応障害」やアルコール依存症や薬物依存症を包括する「物質関連障害」が多い部類に入っています。
・自殺念慮や希死念慮は精神疾患の症状
未だに誤解である「自殺は本人の意思、本人の冷静な判断に基づく選択」という認識が日本社会には根付いています。国や自治体による自殺対策が本格的に取り組み始めて10年以上が経過し、それより以前と比べれば正しい認識が普及されてきた感覚はあるものの…。
まず自殺念慮(=自殺したい気持ち)や希死念慮(=死にたい気持ち)は自分自身の意思とは関係なく勝手に湧き上がってしまう精神疾患の症状であることを知りましょう。
その上で、精神疾患とは脳を支配する病気であり、本人の本来の意思で思考や行動を行うことが難しくなります。自殺念慮や希死念慮が湧き上がっている際には特に、
「冷静な判断」「本来の意思による落ち着いた選択」はほぼ不可能と言えます。
・意志の弱さ、忍耐力の無さ、自己肯定感の低さ、敗北感、劣等感など
これらは「精神疾患の症状から来る自殺念慮や希死念慮」を後押ししてしまう要因のひとつではありますが、自己肯定感が低い人や敗北感を噛みしめている人は自殺してしまうのかどうか?
必ずしも直接的な自殺の原因ではないのです。
人生の中で発生する様々な出来事。例えば「就活失敗」「リストラ」「親からのネグレクト」「学校で友達ができない」「職場で周囲と馴染めない」この例えはほんの一部ではありますが、
これらはあくまでも「要因」です。そして、この要因が生じると「人はストレス」を感じます。複数の要因が幾多にも重なり、複雑に絡み合って抜け出せなくなると「自殺に至る傾向」が強くなっていきます。
ストレスの話と自殺の要因の話はとても似ています。就活生で100社にエントリーしても内定をもらうことができず絶望感・挫折感・周囲と比較した劣等感などを生じ、
その人が幼い頃からの環境によって自己肯定感が低くなっている場合、それらの感情が自殺の「要因」を後押ししてしまうことはあるのです。
ストレスとは外部からの刺激に対する心理的負荷のことを言います。絶望感・挫折感といった感情と似ているのです。
・個人問題ではなく社会問題へ
2006年に「自殺対策基本法」および「自殺総合対策大綱」が施行されたことで、以前まで「自殺は個人の問題」という意識が社会に浸透していたものが、
国・地方自治体・行政機関・企業・民間団体・地域住民といった「社会全体が連携しなければならない問題」という意識変革が行われました。
そもそも自殺は個人問題ではなく自殺に至るまでの背景には失業・経済的困窮・孤立などといった様々な社会問題が潜んでいます。法律が誕生したことによりそれが確固たるものとなったのです。
法制度に完璧というものはありません。法制度では手の届かない隙間は必ず存在します。これは自殺対策に限ったことではなくあらゆる分野に置いてです。
そのため、法制度では手の届かない隙間に入り込んで自治体や行政機関を補助することが地域住民や民間団体の役目でもあります。
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